2026年第1四半期、S&P 500企業の78%がEPS予想を上回った。これは74%という歴史的平均を上回る数字だ。前年同期比で増益率は9.4%、増収率は5.8%。単なる数字ではない——この結果は年末に向けた期待値の地図を塗り替えている。
私がこの決算シーズンを注意深く追っているのは、年初の予想がかなり低めだったからだ。関税懸念と根強いインフレへの警戒から、アナリストは増益率を7%程度と見込んでいた。実際の結果はそれを大きく上回った。
テクノロジー:再び最大の牽引役に
テクノロジーセクターは前年同期比+18%と全セクター最高の増益率を記録した。背景には3つの要因がある。AI向けインフラ投資、クラウドサブスクリプションの成長、そして2023〜2024年の大規模なリストラを経たソフトウェアの利益率改善だ。
主要銘柄を見ると、AlphabetはCloud成長率28%で市場の期待値を塗り替え、MetaはAI支援広告モデルの有効性を前例のない効率で証明した。MicrosoftはこれほどのPDの企業にもかかわらず営業利益率45%を維持した。
金融:高金利が利益を押し上げる
金融セクターは純利ざやの拡大を追い風に前年同期比+12%の増益となった。JPMorgan、Bank of America、Wells Fargoなど大手銀行はいずれもEPS予想を上回った。与信コストは上昇したが、制御可能な範囲にとどまった。
注目すべき点として、保険会社や専門金融会社は債券利回りの上昇により例外的な利益を計上した。これは高金利政策の間接的な恩恵であり、多くの投資家が見落としがちな部分だ。
エネルギー:価格圧力が重荷に
エネルギーセクターは2025年第1四半期の85ドルから2026年第1四半期に72ドル付近まで下落した原油価格を背景に、前年同期比-8%となった。統合型メジャーより精製マージンの恩恵を受けにくい探鉱・生産会社がより苦しい状況にある。
私は現在、エネルギーセクターへのポジションを積み増していない。現在の原油価格水準は増産投資を正当化せず、OPECプラスの決定も本質的に不安定だ。
2026年後半への示唆
SPX5600水準でのPERは2026年予想EPS比21倍。割安ではないが、利益成長率と市場環境を考えれば割高とも言えない。
企業のガイダンスは慎重ながら概ねポジティブだった。電子部品向け関税によるコスト圧力を指摘しつつも、最終消費者への転嫁が可能との見解が多かった。
私が注視している主要リスクは、貿易摩擦の再燃、予想を超えた米国インフレデータ、そしてFRBが利下げを遠ざけるようなシグナルだ。
